- 宇梶剛士は1962年8月15日生まれ
- 伝説的な暴走族から更生
- アイヌ民族の母を持つことからアイヌ文化を広める「ウポポイ」(民族共生象徴空間)のPRアンバサダーをつとめる
宇梶剛士のプロフィール
性格
- 穏やかで紳士的
- 優しい
- 面倒見がいい
穏やかで優しい雰囲気の宇梶さん。
若い頃から人望も厚く、宇梶さんを慕う仲間も大勢いました。
しかし非道な仕打ちを受けると、容赦なくキレて暴れてしまい少年院のお世話になったこともありました。
きっちり更正したあと、俳優としてブレイクした際には、大工やとび職に転身した元暴走族の仲間たちが、お祝いに新築一戸建ての家を建ててくれたというエピソードがあります。
更正した仲間たちからいつまでも慕われている宇梶さん。
その誠実でまっすぐな性格がうかがえますね。
特技
- 野球
- バスケットボール
- DIY
恵まれた体格をいかし、バスケや野球などスポーツが特技である宇梶さん。
意外な特技にDIYがあります。
一時期、大工の見習いとして働いていた経験もあり、日曜大工程度なら難なくつくることができます。
その経験がかわれ、広島ホームテレビの番組『5up!』内での企画で築100年以上の古民家をDIYでよみがえらせるチームリーダーに選ばれました。
広島で幼少時代を過ごした宇梶さんは、かつて見た原風景を再現し、憧れの空間を作り出すべく熱を込めて作業にあたっていました。
趣味
- 甘いものを食べること
- 野球
ワイルドな風貌な宇梶さんですが、大の甘党です。
1日に何か1つは甘い物を食べないと落ち着かなくなってしまうほどで、特にチョコレートと餡が好物。
意外なギャップにかわいらしさを感じますね。
また、少年時代から続けてきた野球経験を生かし、2007年3月に岩手県に本拠地を置く野球クラブチーム『岩手21赤べこ野球軍団』の総監督に就任しました。
残念ながら同年12月に廃部してしまいましたが、また何か野球経験を生かした地域貢献活動などされるかもしれませんね。
デビューのきっかけ
高校時代に部活内でのいじめやシゴキを告発したことで、学校側とトラブルにな暴力事件を起こし逮捕され、少年鑑別所に入所した宇梶さん。
出所後は高校を中退し、叔父のいる北海道浦河郡浦河町や二海郡八雲町で労働機会を得るも更生できず、暴走族に加わると当時日本最大組織とされたブラックエンペラーの7代目名誉総長となります。
暴走族同士の抗争で再び逮捕された宇梶さんは、家庭裁判所へ送致され少年院へ収容されました。
少年院に収容されたことで、グレてしまったこれまでの生き方と向き合った宇梶さん。
そのときの心情を次のように振り返ります。
「生まれつきの不良なんていうのは、いないんですよね。みんな挫折などによって、気持ちがねじれた結果、不良になってしまう。そのねじれた気持ちにどうにか抵抗しようとしてあがいていて、僕の場合そのあがきが、ケンカであったり、オートバイで走り回ることだったりしたんです。僕の中で一番ダサい歴史ですよ」
自分の心と向き合い、猛省する中で宇梶さんの生き方を変える大きな出会いが訪れます。
それは、母が送ってくれたチャップリンの自伝。
もともとチャップリンが大好きで、出演している映画もほとんど見ていた宇梶さんは、自伝を読んでそれまでチャップリンに抱いていた“華やか”とか“全てがうまくいっている大スター”というイメージが覆されたことに衝撃を受けました。
孤独で辛い幼少期を過ごしていたチャップリンが、大きな苦しみや悲しみを抱えながらも、人々に笑いや感動を与える仕事をしてきた生き方に、感銘を受けた宇梶さん。
それまで抱えていたどうしようもない悔しさや怒りから解放され、
「もう、不良はなしだ」
と決意すると、人に“何か”を訴えられる仕事がしたいと思い、俳優を志すことに。
少年院を出た後は、母親の紹介で、錦野旦のカバン持ちを務めるながら演劇学校にも通い、体がいくつあっても足りないような日が続いたと、がむしゃらに目標にしがみついていた当時を語りました。
挫折から立ち直り夢を掴むという、とてもドラマティックなきっかけでした。
宇梶剛士はどんな人?生い立ちや経歴について
宇梶剛士さんは1962年8月15日生まれで、東京都出身です。
東京都新宿区西大久保1丁目(現在は歌舞伎町2丁目)の東京都立大久保病院で生まれましたが、出生時の体重がなんと5,000gもあったというビッグベイビーでした。
生まれたときに都の健康優良児の表彰を受けています。
3歳から5歳までは東京都小平市に、小学2年時までは広島県安芸郡府中町で育ち、その後東京都国立市にと引っ越しが多い家庭で育ちました。
子どもの頃は、恵まれた体格を活かし野球に打ち込む野球少年で、将来は大リーガーという夢を抱いていました。
少年野球に打ち込んでいたころ、中学生に喧嘩を売られることがあり20人相手に1人ずつボコボコにし、全員返り討ちにしたという武勇伝も持っている宇梶さん。
高校時代まで野球部に所属し、将来の有望選手としてプロ球団のスカウトが宇梶を見に何回か足を運びに来たほどの実力を持っていましたが、野球部内での理不尽な扱いでトラブルを起こしてしまい非行の道へ。
国内最大級の暴走族を率いるほど荒れていましたが、少年院に入っていたときに、母が送ってくれたチャップリンの自伝を読み更正。
錦野旦さんや菅原文太さんの付き人を経て社会を学び、俳優としての道を歩んでいます。
宇梶剛士はロシアのハーフ?
彫りの深い顔でハーフのような宇梶さんですが、正確にはクォーターです。
宇梶さんの母親はアイヌ民族でアイヌとロシア人のハーフですので、宇梶さんはアイヌを受け継いだ、ロシアと日本のクォーターと言えます。
宇梶さんが自身のルーツを知ったのは小学校2年生のころ。
アイヌを受け継いだことを知ったきっかけは、自宅に木彫りや鹿の角がたくさん送られてきたことでした。
見たことがない物が届いたので、母に誰から送って来たのか尋ねると、アイヌからだと教えてくれて、その時に自分もアイヌなのだなと気づきました。
若い頃上京しあまり故郷に帰ることがなかった母だったので、母の出身地である北海道に行くことはほとんどなかったという宇梶さん。
今では、あらゆるものにカムイ(神)が宿ると考え、豊かな自然への感謝が原点となっているアイヌの人々の文化を伝える「ウポポイ」(民族共生象徴空間)のPRアンバサダーをつとめています。
広島との関係は?
宇梶さんは5歳の時に家族の都合で東京都小平市から広島県安芸郡府中町に引っ越し、小学校2年まで暮らしていました。
広島県安芸郡府中町は、安芸国の三大神社の一つの多家神社が置かれるなど歴史のある町です。
当時通っていた小学校は府中町立府中小学校で、同校の後輩にはミュージシャンの吉川晃司さんやボクサーの竹原慎二さんがいます。
宇梶さんはこの縁で、広島ホームテレビの『みみよりライブ5up』という番組に出演しています。
わずかな広島での生活でしたが、人権や平和に関する意識をきちんと持っている宇梶さんにとって、意義深くかけがえのない日々だったのではないでしょうか。
出身校・学歴
- 国立市立国立第七小学校
- 国立市立国立第一中学校
- 拓殖大学第一高等学校
- 明治大学付属中野高等学校定時制
広島から東京へ戻った宇梶さんは、国立市立国立第七小学校の転入します。
野球を始めたのは小学校のころからリトルリーグで大活躍していました。
アイヌ民族の母をもち、幼いころからアイヌ民族の文化が身近にあった宇梶さん。
困っている人のことを放っておけない母は、自宅に居候させることもあり、見知らぬ人と同居生活を送っていてこともありました。
一般的な家庭とは少し変わった部分もありましたがすくすくと育ち、国立市立国立第一中学校へ進学します。
アイヌ民族の活動家にだった母はこのころ家を空けることが多く、宇梶さんとのコミュニケーション不足で親子間の確執が発生していました。
そんな中、中学時代も野球に打ち込み国立市内のシニアリーグで活躍していた宇梶さん。
恵まれた体格とハンサムなルックスで、中学2年生の時には彼女ができました。
中学卒業後は甲子園を目指し、拓殖大学第一高等学校に進学し野球部に入部。
プロ球団のスカウトが、何回も見に来るという有望株でした。
しかし、部活内でのいじめやシゴキを告発したことにより逆に学校側からの隠蔽にあい、2ヶ月間野球をする事を禁じられるというトラブルが起きてしまいます。
グラウンドの端に監視付きで立たされていた宇梶さんを、気に掛ける担任や他の大人は誰ひとりおらず、大人への不信感を抱くように。
ある日、とうとう友達と暴力事件を起こしてしまい、逮捕されてしまった宇梶さん。
野球部は各大会に出場停止、宇梶さんは少年鑑別所に入所します。
出所後は高校を中退し、しばらく叔父のいる北海道浦河郡浦河町や二海郡八雲町で労働機会を得ますが更生することはできず、東京家庭裁判所からの呼び出しを口実に帰京すると、その後は当時日本最大組織とされたブラックエンペラーという暴走族に加わってしまいました。
そして三多摩地区のヘッドから後に7代目名誉総長となり“伝説の暴走族”と呼ばれるまでになったのです。
暴走族同士の抗争で再び逮捕され少年院へ収容されると、母が差し入れてくれたチャップリンの伝記を読み、ようやく改心し俳優という将来の夢を抱きます。
夢に向かって更生する中で、同時に高校復学のための勉強に励み、出所後は明治大学付属中野高等学校定時制の卒業を勝ち取ることができました。
父母や兄弟など家族構成について
宇梶さんは父・母・姉の4人家族です。
宇梶さんの父は、建築士の宇梶順計さんといいます。
広島で過ごした小学校1年生の頃は、お父さんと一緒にカープを応援しにプロ野球の試合を見に行き、宇梶さんは野球の虜になりました。
とにかく転勤が多く、父は単身赴任が長くほとんど家にいませんでした。
母は、アイヌ人の宇梶静江さんで、詩人・古布絵作家・絵本作家・民族運動家・アイヌ文化の継承者として活動されています。
人権活動に尽力を注いでおり、母も家にはいないことが多く、家族は一時バラバラでした。
母がこんなにも人権活動に熱心だった理由は、若い頃アイヌという少数民族出身というだけで差別にあっていたからです。
いわれのない差別を受けた経験から、お母さんは生活に困っている人を見ると放っておけず、自宅に居候させてあげることも。
母のまっすぐな生き方は宇梶さんにもしっかりと継承されていますね。
多忙な母に代わって家事を引き受けたのは2つ年上の姉。
一般の方で詳細は公表されていませんが、野球に明け暮れた宇梶さんに毎朝大きな弁当箱を持たせてくれました。
のり弁にショウガ焼き、ウインナーと愛情たっぷりな弁当を作ってくれる優しいお姉さんです。
また、アイヌの著名なエカシ(長老)である浦川治造さんは、母・静江さんの実の弟で宇梶さんの叔父にあたります。
アイヌ文化奨励賞受賞者で東京アイヌ協会名誉会長であり、40代で関東に移住し現在も関東におけるアイヌのリーダーの一人として活動を続けています。
浦川さんを追ったドキュメンタリー映画『カムイと生きる』では宇梶さんがナレーターをつとめています。
結婚した妻との馴れ初め
宇梶さんはこれまでに2度の結婚歴があります。
最初の結婚は20歳の頃で一般の女性です。
詳細については分かりませんでしたが、まだまだ下積み時代だった宇梶さん。
生活は楽では無かったはずですし様々な苦労があったはずのではないでしょうか。
宇梶さんが再婚したのは離婚から数年後で、お相手は再び一般の女性です。
まだ、ブレイク前で様々な仕事をしていた頃。
長い下積み時代の宇梶さんを支え続けたまさに糟糠の妻です。
宇梶さんの子供は1男1女。
このうち娘は再婚後に誕生した子で、息子は前妻との間に誕生した子です。
離婚当時、まだまだ駆け出しの俳優だった宇梶さん。
家庭によっては離婚後、子供と疎遠になってしまう事もありますが、宇梶さんは離婚後も息子とは連絡を取っていました。
2018年に息子に子供が生まれた事を公表し、孫の存在を幸せいっぱいに明らかにしました。
宇梶剛士の自宅は国立
宇梶さんは今でも国立に住んでいて、国立をこよなく愛する国立市民です。
「国立は、僕にとって多感な少年時代から今まで、ずっと親しんできた街。気持ち的には家の延長線上にあるんです。住んでいる家が寝室だとしたら、国立駅は家の玄関。大学通りは庭。それくらい、身近な存在です。」
と語っています。
最寄り駅のJR国立駅の駅舎は赤い三角屋根が特徴的で国立のシンボルとして市民に愛されてきましたが、老朽化が進み取り壊しの話が持ち上がりった時、真っ先に立ち上がったのが宇梶さんでした。
2006年6月6日、どうにか国立駅のシンボルでもある赤い三角屋根を取り壊さないようにと、宇梶さん自ら駅前で演説をして市民に呼び掛けたのです。
国立の顔を守ろうという宇梶さんの必死の訴えが引き金となって、国立駅の赤い三角屋根は取り壊しを免れ、2020年には修復作業を終えたあと、再び駅舎として復活を果たしました。
熱い“国立愛”の持ち主である宇梶さんの自宅は一階部分の設計は自分で行ったほど、こだわりの家。
晴れた日は遠くに富士山も見える絶好の場所です。
大切なこの家は、大工や電気工事、配管などの仕事をしている昔の暴走族時代の仲間たちが建ててくれ、思いもひとしおです。
大事な思い出とかけがえのない仲間が建ててくれた、宇梶さんにとっての城が今のご自宅なんですね。
宇梶剛士の代表作品
宇梶剛士の代表作は以下2つです。
- 刑事7人
- 古畑任三郎
刑事7人
『刑事7人』は、2015年からテレビ朝日系で継続的に放送されている東山紀之主演の刑事ドラマシリーズです。
妻子を亡くし長年遺失物センターに勤務し塞ぎこんでいた主人公・天樹悠はある日、警視庁刑事部捜査第一課12係の係長・片桐正敏にひっぱられ12係の刑事として現場に復帰します。
“時間”に執着を見せる変わった性格を武器に、個性溢れるメンバーと共に事件に立ち向かっていく物語で、現在までSEASON7まで放送されています。
https://twitter.com/tv_asahi_PR/status/1412667702523617282?s=20&t=KWGG_hTCf9h7KNaKaPXJtA
宇梶さんはデスゲームに巻き込まれながらも、実は反社会組織の人間達とのつながりがある都議会議員の雨宮光喜を演じています。
ファンや視聴者からは、
- デスゲーム展開はハラハラする
- 宇梶さん憎たらしくて怖い役うまいな~
- 豹変する宇梶さんが怖かった
と、1話のみの特別出演にも関わらず、大きな印象が残ったという感想が多く上がりました。
古畑任三郎
『古畑任三郎』はフジテレビ系で放送されていた脚本は三谷幸喜、主演は田村正和の大人気テレビドラマシリーズです。
田村正和演じる警部補・古畑任三郎が、毎回登場するゲスト(犯人)による犯罪のアリバイやトリックを巧みな話術と卓越した推理力で崩していき、完璧と思われていた犯行の真相を解明していく1話完結の刑事ドラマです。
宇梶さんは『古畑任三郎vsSMAP』の回に出演し、犯人はSMAP全員という特別回の被害者、富樫明男を演じました。
富樫は草彅の紹介で入った美術スタッフですが、その仕事のぶりはひどく、とにかく適当な仕事ぶりで、私生活でも暴力団に借金をするなどひどい人間です。
実はSMAP全員が世話になっていた草彅の叔父が、富樫の車に追突事故を起こしてしまい、大した怪我でもないのに叔父に到底払えない慰謝料を要求され、後に草彅と叔父の関係を知ると、さらに倍の金額を払うように脅しをかけ、あらゆる追い込みかたをして、とうとう叔父を自殺に追い込んだという因縁がありました。
ファンや視聴者からは、
- 復讐したくなるのがわかる悪い演技
- いちいちクセがすごい
- SMAPの団結を引き立てる悪役
と、伝説のドラマの鍵となる宇梶さんの演技に絶賛の声が上がりました。
ちなみに、宇梶さんは古畑任三郎第1シーズンの『さよなら、DJ』にもラジオディレクターとして出演しています。
こちらの役どころは富樫と正反対の性格のいい人物でした。
今回は俳優の宇梶剛士さんのプロフィールをまとめました。
俳優に留まらず、アイヌ文化の伝承や平和についての講演など、これからもマルチなご活躍を期待します!